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2004.07.26

死者の書

昨日ネット検索をしていたら、とあるキーワードでたどり着いたサイトで、「初稿・死者の書」を紹介しているのを見つけました。「死者の書」は、民俗学者でもあった折口信夫が書いた歴史小説です。

学生の頃、歴史小説として読んだんですが、世間では純文学なのかも。歴史小説好きだった当時の私にとって、物言わぬ主人公の姫君の描き方が、まさに目から鱗という印象を受けました。実際に、その時代にその立場にあった人間が、何を考えどう行動したのか、それがどういう思想や当時の社会風俗に起因しているのか。そいう事を突き詰めた歴史小説って、それまで読んだ事があっただろうか、と思いました。

吉川英次や吉屋信子の歴史小説は好きでしたが、彼らの描く人間関係、特に家族関係は、よく考えたらとても現代的です。その時代の恋愛観や結婚観を忠実に描こうとはしておらず、どこか作者の理想の家族像が見え隠れしています。それがまた、彼らの作品の魅力でもありましたが、歴史上の家族関係はもっと違うものだろうと思っていました。それだけに「死者の書」は衝撃的でした。

という訳で、「初稿・死者の書」が先月国書刊行会から刊行されたと知り、是非読んでみたいと思いました。でも価格が税込3,570円と、ちと高い(^^;) 図書館に頼ろうかなぁ~。

さて実は、とあるキーワードとは「ボーイズラブ」です・・・。
「何それ?」と思った方は、聞かなかった事にして下さい(笑) 

折口の弟子だった加藤守雄という方が書いた「わが師折口信夫 」(朝日文庫)を読んだ事があります。それによると、折口は同性愛者であり、女性とは結婚していません。養子に迎えた弟子の春洋さんとは、親子ではなく伴侶としての関係にあった、という記述があります。全編に渡って、どこまで信憑性のある話なのかわかりませんが、春洋さんをとても大切な存在と思っていた事は伝わって来ました。

吉屋信子も同性愛者であり、秘書として生活を共にしていた女性と恋愛関係にあったようです。そういう事を、わりと最近になって知りました。一般的な経歴を見ただけでは、そこまでわかりません。戦前戦中の、今の何倍も同性愛に対して偏見があった時代に、色々と葛藤はあったでしょうが、密かにではあっても、自分なりの愛を育んだお二人に敬意を表します。

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