« 図書館関連サイトあれこれ | トップページ | 夜回り先生、教壇を去る »

2004.09.29

「新選組!」松原さんと河合さん

前回・前々回の大河ドラマのビデオをやっと観ました。「壬生義士伝」で、河合耆三郎が使途不明金の件で斬首されるのを観ましたし、「新選組物語」で、松原忠司の「壬生心中」を読んだばかりで、ふたりが非業の死を遂げる事はドラマを観る前から知っていました。

「新選組!」も今後辛い話が多くなるんよなぁ、と覚悟はしていたんですが、2話連続で哀しかったですね。でも三谷版では、松原さんも河合さんも、それぞれに人柄を尊重した描かれ方で、当人にとっての悲惨な事態が多少なりとも緩和されて伝わって来た様に思います。その分、悪者に徹しようとする土方さんと、その苦境を察して静かに支えようとする井上源さんや沖田さんの気持ちが非痛です。

「新選組物語」にある「隊士絶命記」の中にも、河合耆三郎が五十両の使途不明金を出した罪で罰せられる話が記されています。五十両不明の経緯は全く書かれていませんし、実家からの送金が間に合わなかった話は同じですが、切腹ではなく斬首だったという事です。河合は「切腹ではなく首を刎ねられるのですね」と何度も確認したそうなので、無念だったのでしょう。「壬生義士伝」でも斬首でしたが、「新選組!」では白装束を身に付けての切腹でした。商家の出ではあったけれど、罪人としては最も武士らしい最後ということになります。

「新選組!」では、松原さんも単なる心中ではなく、相手の女性に騙し討ちで刺されたのを、松原さんと隊の名誉の為に心中という事にした、という話になってました。「新選組物語」では、親切で皆に慕われる性格ではあったが短気な面もあった松原が、往来での喧嘩で浪人を切ってしまい、その後で後悔して未亡人の手助けをするようになるんです。でも、この女性に自分が夫を切ったとは告げていなかったので、彼女も松原に心を許すようになった、という話でした。隊の仕事として侍を切り、最初から自分がその張本人であると告げて未亡人を訪れた「新選組!」の松原さんは、実直で裏表のない人柄に描かれています。

松原さんと河合さん、どちらも「新選組物語」で読んだ話より救いがあるように感じました。ちょうど今、NHKの新選組!HPに、松原忠司役の甲本雅弘裕さんと河合耆三郎役の大倉孝二さんのインタビュー記事が掲載されています。思えば、三谷版の松原さんと河合さんは、入隊した時からの様々な心温まるな様なクスッと笑いたくなる様なエピソードの積み重ねが、その最後の悲惨さを緩和する効果につながっている様に思います。そしてそれとは逆に、彼らが新選組を組織として維持していく為に死なねばならなかったことに対し、彼ら自身の死を心から惜しむ気持ちと、とても理不尽な遣り切れなさを感じます。あらためて、これが三谷さんの「新選組!」なんだと思いました。

|

« 図書館関連サイトあれこれ | トップページ | 夜回り先生、教壇を去る »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/41966/1546831

この記事へのトラックバック一覧です: 「新選組!」松原さんと河合さん:

« 図書館関連サイトあれこれ | トップページ | 夜回り先生、教壇を去る »