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2005.09.18

イサム・ノグチ展

江東区木場の東京都現代美術館で開かれている「イサム・ノグチ展」に行って来ました。実は抽象彫刻なんてさっぱり解らないんですが、この夏放送された被爆60年の特集番組の中で、ノグチさんが広島原爆慰霊碑の設計に関わっていた事を知って、その作品にも興味を持ちました。

イサム・ノグチさんのお名前は、山口淑子さんの著書「李香蘭 私の半生」を読んだ15年位前に初めて知りました。中国で生まれ育った山口さんは、日本人の両親の間に生まれながら、中国人として満州映画の女優をさせられていました。戦後日本に帰って、その「李香蘭」から解放された山口さんは、日本人女優として再出発をします。ちょうどそこの頃、日本で活動していたノグチさんと知り合い、結婚します。父が日本人、母がアメリカ人であるノグチさんは、戦時中二つの祖国の間で悩み、自ら志願して日系アメリカ人の強制移住キャンプで過ごした経験もあるそうです。結婚生活は長く続きませんでしたが、同じく戦争する二つの祖国間で苦しんだ山口さんとは、お互いに共感する部分も多かったのでしょう。

ノグチさんは、普通の室内に置かれるような彫刻から、高さ5メートル以上もあるような大きな彫刻、家具や和紙を使った照明器具から広場や公園の設計までと、幅広いフィールドで作品を作り出した作家です。今年の7月には、亡くなる直前に設計した札幌のモエレ沼公園が完成し、テレビなどでも紹介されていました。

戦後まもなく日本に来ていたノグチさんは、広島原爆慰霊碑の作成を依頼されます。デザインも決まり試作の模型も作られていたそうですが、ノグチさんがアメリカ人でもあるという理由で、依頼は取り消されたそうです。今私たちが目にしている慰霊碑は、建築家の丹下健三さん作によるものです。しかし、川の中州にある平和公園へ渡る平和橋と西平和橋はノグチさんの設計によるもので、その斬新なデザインが印象的です。

結局、抽象芸術というものはよく解りませんでしたが、ノグチさんの作品は、シンプルな造形の中に生きている者への温かい眼差しを感じさせてくれました。美術館内の作品はもちろん手を触れてはいけないし撮影不可なんですが、唯一屋外に展示されていたモエレ沼公園の遊具だけは、遊んでもいいし撮影もOKでした。

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左が八面体を組み合わせた「オクテトラ」

右が「プレイ・スカルプチュア」です。

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